ピアノ曲の中には山、海、雨、雪など
自然をイメージした、描写的なものが
多くあります。
それらの曲は、自然の特徴を
わかりやすく、音で表現していて
発表会においても、弾き手、聴き手
どちらにも好評です。

今回は山、さらにその中でも
雄大なアルプスの山にちなんだ曲に
的をしぼって、4曲ご紹介します。
アルプスの曲に共通しているのは
◉ダイナミックに、自然を表現していること
◉ティロリエンヌ(民族舞曲のひとつ)の
リズムが、使われていることなどが
あげられます。

①〝アルプスの夕映え〟(オースティン作曲)
発表会向けの曲を、多数作曲した
オースティンの代表作ともいえる
〝アルプスの夕映え〟。
盛りだくさんの内容は
弾きごたえたっぷりで
一曲練習する中で、様々なテクニックの
習得が可能です。
美しいだけでなく、技術の向上にも役立ち
エチュード的な要素も
散りばめられています。
激しい曲調の変化からは、突然姿を変える
自然の厳しさをも感じとれます。

②〝アルプスの鐘〟(オースティン作曲)
タイトル通り、雄大な山々に鳴り響く
鐘の音が、耳に心地よく響きます。
中間部では、メロディ(中音)の合間に
鐘の音(高音)がはさまれていて、跳躍が多く
弾き手にとってはスリル満点!

③〝アルプスの乙女の夢〟(ラビッキー作曲)
ロマンティックなタイトル通り
甘美なメロディで始まります。
その夢見るようなメロディは
スタイルを変化させながら
終盤まで続いています。
アルプスの自然と、乙女の夢を
みごとに織り交ぜた、ステキな一曲です。

④〝アルプスの山小舎にて〟(ランゲ作曲)
くり返される6連符が、華やかな印象の序盤。
その後は、大自然のゆったりとした
時の流れに、身をまかせているような
曲調に変化します。
中盤は短調に転じ、緊張感も高まり
曲の山場をむかえます。

今回ご紹介した4曲。
どの曲も、ピアノの音色の向こうに
アルプスの山々が透けて見える
そんな気持ちになります。
コロナ禍で、出かけることが難しい日々ですが
アルプスの自然を感じられる
ピアノ曲を聴くことで、元気をもらい
気持ちをリフレッシュすることが
できればと思い、ご紹介してみました。
