指のトレーニングのために
欠かせないハノン。
教室でも、多くの生徒さんが
取り組んでいます。

私がハノンを使用するにあたって
第一の目的は
★脱力を覚えること★
手を替え品を替えしながら
繰り返し練習します。
第二の目的は
★ダイナミクス(強弱)の習得★
クレッシェンドやデクレッシェンド
アクセントなどを、ていねいに練習します。
繰り返し練習することで
思い通りの音量を、コントロールできる
指を養います。

小4のAちゃん。今日のハノンのレッスンでは
クレッシェンドとデクレッシェンドに
的をしぼって練習しました。

どんな曲も、心から楽しんで弾くAちゃん。
指のトレーニングであるハノンも
歌うように、ていねいに弾けました。
その姿は、強弱の波に気持ちを
ぴったり合わせているようにも見えました。
その、どのような練習も
おろそかにしない姿勢に
音楽を、心から愛する気持ちが
伝わってきます。

私は、「ハノンは〝指づくり〟という
目的のための手段にすぎない」と考え
ていねいに弾いても、歌って弾くことはなく
気がつけば、機械的に指を
動かしていたように思います。
また、ひたすら同じ音形をくりかえすだけの
味気ないトレーニングに、ある種の
苦行のようなイメージもありました。
今回、Aちゃんの歌うような演奏を聴いて
まさに〝負うた子に教えられて浅瀬を渡る〟
ようだと、反省することしきりです。