どよーんと暗い曲

小学校低学年の頃から

「発表会どんな曲がいい?」と聞くと

毎年決まって「どよーんと暗い曲」と

言い続けたY君。

毎年違うタイプの曲を、選ぶ子供が多い中

異色の存在です。

初めての発表会で弾いた〝ロシアの熊〟を

皮切りに、毎年暗めの曲を、選び続けました。

中でも3年生で弾いた〝紺碧の海〟は

その象徴ともいえ

海の底に沈んでいきそうな、暗い

しかしカッコイイ、奥深い曲でした。

6年生になった今も、そのスタンスは

相変わらず、というか益々その思いが

強固になったような気さえします。

夏の発表会以降は、テキストを

通常通り進めることは、あきらめ

Y君向けの、暗い曲を探し

延々とその流れで、レッスンしています。

テキストを進めていた頃は

あまり練習に、気が向かなかったY君。

今では、お気に入りの暗い曲ばかり

弾けるとあって、練習の量も

少しずつ増えてきました。

周りを見渡してみると、ピアノに関しては

男の子の方が、好みがはっきりしていて

個性豊かな感じがします。

好きな曲は、とことん練習するけれど

気乗りしない曲は、ほとんど練習しないような・・・・。

中には、自分で好みのテキストを

見つけてくる筋金入りの子も!


ただ、暗い曲が好みのY君ですが

別に性格が暗い訳ではなく

いつも穏やかな表情をしていて

朗らかな、いたって普通の少年です。

興味の先は、昆虫や魚にあり

ピアノは、ベスト5に入るか入らないか

その辺りはよくわかりませんが

長く続けてきたので、とりあえず

嫌いではなさそうです。

暗い曲を弾くことに、喜びを感じるY君。

思い切り、暗い音楽の世界に浸ることで

これからも、ピアノに親しんで欲しいと思っています。

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