ピアノのレッスン、
始めは、やさしいところからスタートし
しばらくの間は、順調に進みます。
しかし、いくつかの
乗りこえなくてはならない、壁があるのも
現実です。
それは、ピアノに限ったことではなく
スポーツ、語学など、他の分野でも
同じことが、いえるのではないでしょうか。

ピアノを、習い始めた生徒さんにとって
最初の壁は、〝ポジション〟が
変わることです。

【Cポジション・ドレミファソ】から
【Gポジション・ソラシドレ】に。

どんなに、ハイスピードで進んできた
生徒さんでも、ここは、テキストだけに
頼っていては、解決できないと感じています。

私が、メインテキストに用いている
〝ぴあのどりーむ・3巻〟でも
中盤で、突然〝Gポジション〟に移行し
読めて、弾けて、当然のような
流れになっています。

指導する私が、戸惑うのですから
習う側の生徒さんが、難しく感じるのも
当然だと思います。
ソラシドレを読めることが
そのまま弾けることには、つながりません。
全く慣れていない、音と指で弾くのですから
スモールステップで、時間をかけて
練習する必要があります。

この時、小学校のカタカナ指導を
思い浮かべます。
小学校で、ひらがなは
一文字ずつ、ていねいに指導するのに対して
カタカナは、5倍のスピードで
進むと聞きました。
学年が上がっても、カタカナがあやふやな
子供さんもいるようです。
こちらも、新しいことを指導するのに
十分な時間をかけないことが
原因だと思います。
新しいことに、取り組む場合
しっかり時間をかけて
丁寧に進めることが、大切でしょう。

ポジションが変わる前に
私がレッスンで、実践しているのは
簡単な、《自作のドリル》を練習してもらい
早目に〝Gポジション〟に慣れてもらう
方法です。

まもなく〝Gポジション〟に進むK君(5歳)。
早く、ドリルを開始したいのですが
毎回、レッスン曲の確認と予習で手一杯。
最後にドリルをしようと思っても
すでに、集中力が途切れていて
とても、新しいことにチャレンジする余力は
残っていません。
次回こそは、レッスンの最初に組み込み
何としてでも〝Gポジション〟の練習を
スタートさせる予定です。
K君が壁でつまずかないように・・・・。

ピアノを続けていけば
これから何度か、壁に
遭遇することがあります。
ですが、避けては通れない壁を
できるだけ低くすることが
講師の務めだと考え
試行錯誤する毎日です。
