R君(小6)の、今日のレッスンでのこと。
まずは「スケーターズワルツ」から、スタートです。

一週間の成果を、聴かせてもらおうと
楽しみに待っていると、突然楽譜を閉じて
弾き始めました。
「一週間で暗譜?!」とますます楽しみに。
少しミスはありましたが、自ら
4ページもある曲の暗譜に挑戦した
そのチャレンジ精神は、素晴らしいと思います。
また、暗譜をするにはそれなりの
練習量も必要で、この一週間
がんばった証でもあります。

日頃のレッスンでは、暗譜までは
求めていませんが、このように
まれに、暗譜してくる生徒さんもいます。
全ての曲を、暗譜して完成させることは
理想ではありますが、一曲に時間を
かけ過ぎると、テキストの進度が
ぐんと落ちてしまい、結果
①譜読みの力が、つきにくくなる
②触れる曲数が、減ってしまう
など弊害もあります。

そもそも、暗譜という技術は
作曲家兼ピアニストの〝フランツ=リスト〟
が広めました。
確かに暗譜して弾く姿は
かっこいいですよね!
その結果、今では暗譜することが
当たり前になってしまいました。

ピアノの楽譜は、他の楽器と異なり
大譜表(2段)です。
両手で弾くので当然ですが
これも、暗譜を複雑化している
要因となっています。
他の多くの楽器は、一段のものが大半で
見た目も、読むことも大変シンプルに感じます。

そんな大変な暗譜ですが、もちろん
メリットもたくさんあります。
私の経験では、暗譜することで
音楽がより深く、心に浸透するような
気がします。
意識を、音そのものに集中でき
心から歌える、そう感じます。
また、脳トレにも、ひと役買っているのではないでしょうか。
そう考えると、やはり暗譜の経験も
時には必要だと言えます。
発表会など、人前での演奏は
暗譜が必須ですが、頭の柔らかい
子供のうちに、暗譜の経験を積むことも
大切かもしれない、そう考え
負担にならない程度に、
少し暗譜の頻度を、増やしていくことで
子供たちの可能性を、広げていきたいと思います。
